保護された燕の幼鳥
燕の幼鳥です。ピントが奥に合ってしまった良くない写真です。
近くにお住まいの方に保護され当院へ持ち込まれました。
恐らく巣から落下したか飛ぶ練習の際に何かに襲われたのでしょう。片側の羽がほとんど抜け落ちています。
負傷した野生鳥獣を動物病院に持ち込んだ方はああイイことをしたなあと思われるかもしれませんが、実際はそんな簡単なことではありません。
落ちた幼鳥にしてみれば、得体の知れない何かに捕獲され閉じ込められ、思い通りにいかない生活を強いられます。人間に慣れていない彼らを人間が治療したり生育することは非常に困難なことです。また落ちた幼鳥を助けようとしていた親鳥にしてみれば、人間により持ち去られたことになります。
残酷なことと思われるかもしれませんが、これが人間の介入しない自然であれば、幼鳥は他の動物の餌となるかもしれません。その場合、幼鳥の命が失われても、おかげで救われる命があるかもしれません。そういう食物連鎖の上に自然は成り立っているのです。
生き物を助けようとすることは非常に大切なことです。当院は野生鳥獣の救護を受け付けていますので、持ち込まれれば獣医師として出来ることはさせて頂きます。
あなたがとる行動が、保護しようとしている子にとって本当に幸せなことなのか、環境にとっていいことなのか、自分の自己満足だけで考えていないか、よく考えていただければ幸いです。